歌うカタツムリ-進化とらせんの物語 (岩波科学ライブラリー)

著者 :
  • 岩波書店 (2017年6月13日発売)
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 ハワイのハワイマイマイというカタツムリは、歌うという。真夜中に天球の音楽からのこだま、と表現される音は、なんとも神秘的なイメージを感じさせる。カタツムリが歌うとか鳴くなんていうと、なにかの間違いじゃないかとは思う。ただそれはもう確認することはできないのだそうだ。ハワイマイマイは、ほとんど絶滅してしまったから。

 カタツムリを軸に語られる進化論の話。カタツムリって、進化論研究にそんなに結び付けられていたとは知らなかった。ときに著者ご自身の経験も踏まえつつ、各国の進化論研究の変遷について語られる。

 進化において、適者生存はよく語られる概念だ。ときに市場であったり、なんらかの業界において、優れたものが勝ち、状況に適応できないものは淘汰される、なんて利いた風な話もあるけどさ。俺が以前読んだ本によると、適者生存とは生き残った者が状況に対して適応していたというだけの話であって、優れたものが生き残るという話ではない、ということだった。本書によると、でもそれには既定の理論というわけではなかったようだ。ランダム進化対適応主義という論争があったんだね。ひょっとしたら、まだどこかで概念の変更があるのかもしれない。

 学術的な論争というのは、ドラマだね。

 面白かった。

 最後に、著者自身の経験から歌うカタツムリの真相と思われるものが語られる。進化って、ロマンだなぁ。 

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2023年5月7日
読了日 : 2023年4月27日
本棚登録日 : 2023年4月27日

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