小説 日本興業銀行(2) (講談社文庫)

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  • 講談社 (1990年11月15日発売)
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感想 : 4
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昭和電工疑獄事件と芦田内閣についての話が中心。特に、興銀の総裁から閣僚になった栗栖赳夫の秘書官三ツ本常彦が拘引された時の苦悩が描かれている場面が印象的だった。英和辞書を丸暗記して覚えたページを破り捨てるという話には驚いた。
また、興銀マンの結束の強さ、興銀を再建して長期資金を民間に投入することが自分たちの使命であり、それが日本経済と産業の復興につながると確信し、身を粉にして働く姿には感動する。

サブプライムローンを端として日本にも降り掛かってきた金融危機、東日本大震災といった現在直面する大きな問題に対して、政策投資銀行などの政府系金融機関に勤める人たちが、この頃の興銀マンのように働いていて欲しい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2011年6月2日
読了日 : 2011年6月2日
本棚登録日 : 2011年6月2日

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