世界の別れ言葉は、一般的に、「Good-bye、Adieu(=神があなたとともにあらんことを祈る)」、「See you again、再見(=再び会おう)」、「Farewell、安寧ヒ ゲセヨ(=お元気で、安らかに)」の3つに大別できるが、日本語の別れ言葉「さようなら」はどれにも当たらない。「さようなら」は、「さらば」あるいは「しからば」という言葉で、もともとは「そうであるならば」という接続詞なのだ。ではなぜ、日本人は別れ際に「そうであるならば」と言うのか。そして、この別れ方が一般的ではないなら、それは日本人のどのような世界観を映し出すものなのか。
この問題を、とりわけ死生観の次元で検証したのが本書だ。「サヨナラダケガ人生ダ」とうそぶく日本人の持つ無常観の源泉を探りながら、その精神史を別れ言葉によって探求した一冊。
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- 感想投稿日 : 2015年11月26日
- 読了日 : 2015年10月14日
- 本棚登録日 : 2015年10月14日
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