からくりからくさ (新潮文庫)

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本棚登録 : 4943
レビュー : 522
著者 :
shuwachoさん    読み終わった 

「りかさん」から十数年?後のお話。
というかこのお話があって、ようこのお話が描かれたのか。
順番を間違えたので、最初から寂しい始まり。
あのおばあちゃんが亡くなって、おばあちゃんのお家で共同生活を始めた、蓉子、与希子、紀久、マーガレット、そしてりかさん。
機織りの音、草木染めの煮出す匂い、庭の野草の調理など現代社会から隔離されたような生活。
沈黙するりかさんの謎とは。

マーガレットの率直さ、与希子の素直さにヒヤヒヤしたり、微笑ましく思ったり。
蓉子の無意識に物を慈しむ様子に嫉妬してしまう。
「慈しむってことは、思い立って学べるもんじゃない。受け継がれていく伝統だ。」
糠漬けもおいしくならない私の手。この台詞にドキリとする。

紀久の闇の深さ、蔦を全身に絡めるような様子が他人事に思えず、それを振り払うように機を織るという行為がうらやましい。
私の機織はなんだろう。雑巾縫い?

能面、お蔦伝説、唐草模様、蛇、水蜘蛛、クルド人。
蔦が絡み合うように、縦糸と横糸が絡むように話がすすんでいく。ルーツ、対立、対比、融合。
隔離されたような彼女達の生活が外の空気に触れるとき、少しづつ平穏な日々に亀裂が入る。
何時の間にかいろんなものが絡まって、身動きが取れなくなって息苦しいくらい。
最後はこれしかないのかもしれない、でもとげを強引に抜かれたような痛みが残る。
「残った部分は潰さないわ」という蓉子にホッとしたような痛々しいような。

レビュー投稿日
2014年3月23日
読了日
2014年3月23日
本棚登録日
2014年3月6日
9
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