家守綺譚 (新潮文庫)

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本棚登録 : 6294
レビュー : 930
著者 :
shuwachoさん    読み終わった 

淡々と話がすすむ。
坂田靖子の漫画と空気が似ているかなとか、いや漱石とか百閒先生の毒や棘を抜いた感じ?それかモリミーのきつねのジットリとした艶をなくしたような?

湖で行方不明になった友人の家の守を頼まれた綿貫氏。
物書きの本分はあまりお金にならないけれど、家守の仕事はなかなか賑やか。
友人の高堂が掛け軸の中からフラリとやってきたり、サルスベリに懸想されたり、河童や竜田姫の侍女が迷い込み、狸に化かされている。
「おまえは大体己というものが見えていない。ものごとの機微というもの分かっていない。こんな了見でものを書こうと言うのだからつくづくあきれたやつだ。」
「まあ、誰でも見えていないと云えばそうなのだが、おまえのようなやつも珍しい。しかしだから僕なんぞを引き寄せたのだろう。」
と高堂に言われてしまう綿貫氏。
綿貫氏やこの世界の秘密が最後に明かされるのか?

季節が移ろう描写が美しく、綿貫氏が目を留める植物や風景がフラリと出かけてみてみたくなる。
綿貫氏とダァリヤの君もとても気になる。淡々とフワフワと、さて着地した先は。

「埋めてもらいたい場所…自分の場合はどこだろう、と考える。ふと、思いついて、
ーーおまえはどうなのだ。埋められたい場所があったのではないか。」
「その件は果たした。」

「思い込みというのは恐ろしいな。」
「だがとりあえずは思い込まねばな。」

レビュー投稿日
2014年5月3日
読了日
2014年5月5日
本棚登録日
2014年4月23日
7
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