仏果を得ず (双葉文庫)

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本棚登録 : 3935
レビュー : 502
著者 :
shuwachoさん    読み終わった 

面白かった!文楽は一度見たことがあるだけでも、充分楽しめる。
ただ、演目が健の気持ちと重なるので、知っていたら楽しさ面白さもグッと違うのかもしれない。
文楽って重くておかたいイメージだったけど、登場人物がゆるいので、たいへん身近に感じた。
「油地獄」の与兵衛が「女にモテそうなヤンキー」とか言われてるし!

「小学校三年生の女の子に、甘いって言われた。やっぱり俺、世話物を語るのに不向きなのかもしれない。」なんて言ってる健が、どんどん成長していくのを見守ってくのが楽しい。

「登場人物はすべて、舞台のうえで精一杯に、それぞれの生を生きているだけ。本当にそうだ。そして、そんな彼らを生かす難しさといったらどうだ。」
「そうだ、このひとたちは生きてる。ずるさと、それでもとどめようのない情愛を胸に、俺と同じく生きている。文字で書かれ音で表し人形が演じる芸能のなかに、間違いなく人間の真実が光っている。」
「だが、この場内で本当に生きているのは、不思議なことにいま死にゆかんとする早野勘平ただ一人だ。命を持たぬはずの勘平の人形だけが輝きを放つ。」
どんどん健が成長していく様子がうれしい。あ、また時代を伝える系?こういうのに本当に弱い。
これまでの300年とこれからの300年、もちろん変化もあるだろうけど、受け継がれていくもの思う。

レビュー投稿日
2012年6月9日
読了日
2012年6月9日
本棚登録日
2012年5月29日
4
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