魔法少女育成計画 episodes (このライトノベルがすごい! 文庫)

著者 :
  • 宝島社 (2013年4月10日発売)
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本棚登録 : 243
感想 : 13
5

キュートでキッチュ、プリチーでパワフル。
いずれ劣らぬ強烈な個性の魔法少女たちが知略と策謀と各々持てる魔法を駆使し生き残りバトルロワイヤルを演じるライトノベル第四弾は、既刊の魔法少女総出演の贅沢な短編集。
結論から言いますと大満足!
長編では伏せられていた魔法少女たちのプライベートな日常のアレコレ、語られなかった心情や葛藤が硬軟織り交ぜた達者な文章で盛り込まれています。
特に株を上げたのはルーラ!
本編では意地悪で我儘、殆ど見せ場なく終わってしまったルーラが仲間に対して面倒見の良さを発揮するシーンで好感度アップ。
ツンデレ好きのハートをくすぐる萌えキャラに仕上がってます。
魔法少女育成計画の魅力の一つに、神秘的で不思議ちゃんな黒髪ショートの魔法少女の実体が「~っス!」と舎弟喋りのナンパギャルだったり、クールな狩人スタイルの魔法少女が実は田舎っぺの訛りまだるだし等数々のギャップが挙げられるのですが、短編集でもそれは健在。
本編ではあっさりさくっと退場してしまった魔法少女が殺伐からほのぼのまで持ち回り主役を張る短編は、本編のエピソードとリンクし、ある時は本編の行間の空白を埋める形で同時進行し、意外なキャラとキャラの接点や因縁が開示されたりと終始サプライズに満ちたアグレッシブな構成になってます。
ねむりんに至ってはMVP並の大活躍!本編での印象の薄さが嘘の如くある時は頼もしい助っ人として、ある時は余計な事を吹きこんだ善意の元凶として、複数の魔法少女の夢に登場します。
チェルナーマウスの意外すぎる正体やスイムスイムの純粋さ故の狂気、プフレとシャドウゲールの百合主従のクランテイルも食わない夫婦漫才など、読者が「読みたい!」「知りたい!」と思った要求に可能な限り応えてくれるサービス精神は素晴らしい。
カラー口絵もとても可愛く華やかで見応えあります。

難点を挙げるなら、短編集を読んで魔法少女一人一人に感情移入し愛着が湧くほどに本編を読み返すのが辛くなること。
特に戦闘狂の復讐鬼一辺倒だったアカネのイメージは180度変わります。あれは病むわ……

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2017年8月24日
読了日 : 2017年8月24日
本棚登録日 : 2017年8月24日

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