読み始めた経緯については中巻を参照。こっちはもっとスピーディーに、一日で、時間にして2、3時間で一気に読み切ってしまった。ちょいちょい読むという話はどこに行ったんだ。
設定好きの自分にとって、型月における魔術のあり方を詳らかにする本シリーズは、一番好きな派生作品だ。読み終えたことで改めてそう思う。ロード・エルメロイII世の物語もしっかり楽しめつつ、設定面でも満足でき、他の作品への目配せも行っている。型月の世界にとって最良のガイドブックこそ、本書に他なるまい。
先例に倣い、読了当時の感想を記しておく。
忙しくて手がつけられなかった『ロード・エルメロイⅡ世の事件簿⑩』やっと読み終わりました。なんでしょうね。風呂敷畳むだけの巻かなと思ってたらきちんと謎を明かして、色んな事実が判明して。これまでの要素を丁寧に拾って、集大成に相応しい話だった。
今回は熱いというより上手いなと思う展開が多くて、興奮度で言えば今までの方が上だけど、しっとりとした余韻がある。これで、事件簿の根底を流れていた大きな事件は幕を閉じた訳だけど、描かれたのはあくまで物語としての終わりであって、彼らにとっては大きな出来事でこそあれ、通過点。キャラクターとしてどこに辿り着くのか、いつかどこかで垣間見られれば良いなと切に願う。良かったです。三田誠先生ありがとう、そしてお疲れ様でした。マテリアルも楽しみにしています。
2019年7月2日のツイートより。
なお、既に続刊『ロード・エルメロイII世の冒険』①は発行されており、入手済みである。喜べ少年、君の願いはようやく叶う。
- 感想投稿日 : 2021年6月17日
- 読了日 : 2021年6月17日
- 本棚登録日 : 2021年6月17日
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