内地へよろしく (河出文庫)

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本棚登録 : 44
レビュー : 5
著者 :
シンさん  未設定  読み終わった 

美点として描かれる人情などが、「日本男児」「戦争」と結びついて語られていることは、私の目にはあまり好ましくないものと映るが、ヘミングウェイが『武器よさらば』冒頭で語ったように、戦争という切迫状況においてこそ磨かれる、ということもあるのかもしれない(ただ、そのすぐ後の文に、ヘミングウェイは讃美者や扇動者などは戦争初日に市民の手で銃殺されるべきだと書いている)。また、戦争の犯罪性については、生命・文化・道義などの虐殺という点から、東京裁判のときに裁きの基準となったとおりであると思う。
けれどこの作品の人情、ものがたりのあたたかさせつなさなど感じることは、美術手帳『画家と戦争』において語られているように(ここでは絵ではなく小説だけれども)、それ自体の力としてとらえるべきかもしれない。
戦争を不可避のものとし、英雄であることに酔うこと(『日本人の戦争』より)は、絶対にしてはいけないけれど、この作品は好きだ。

レビュー投稿日
2017年5月26日
読了日
2017年5月26日
本棚登録日
2017年4月27日
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