手紙 (文春文庫)

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本棚登録 : 29678
レビュー : 2862
著者 :
風子さん ヒューマン   読み終わった 

加害者家族に焦点を当てた作品という事で読んでみたが、読んでいてとても辛かった。

子供の不始末は親の責任とか、親の躾が悪いからとか、耳にする事があるが、親ならば多少なりとも責任はあるのだろう。

では未成年の弟に、兄の犯した罪の責任はあるのだろうか・・・

責任は無いと思っていても、強盗殺人犯と関係がある人と関わりを持ちたくない、怖い、と思ってしまうのは、ごく普通の考えだろう。


実際に罪を犯した剛志よりも、何の罪もない直貴の方が苦しんでいる。
剛志は、塀で守られ、衣食住を与えられ、病気をすれば医者に診てもらえ、仕事も与えられる。
逆に直貴は、世間の冷たい目に晒されながら、必死にもがき苦しみ生きている。

剛志から届くお気楽な手紙が、直貴の辛く苦しい人生を更に際立たせているように感じた。

直貴の最後の手紙。剛志の最後の手紙。直貴の目に映る、剛志の最後の姿。
何もかもが辛くて。。。。悲しくて。。。。涙が流れた。

出所して、塀という守られた世界から出た時、剛志は初めて直貴の苦しみを理解することになるだろう。
その時の剛志を思うと心が痛む。
罪の償いに終わりはないのかもしれない。

レビュー投稿日
2016年6月17日
読了日
2016年6月10日
本棚登録日
2016年5月15日
6
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