これからの本の話をしよう

3.33
  • (2)
  • (3)
  • (1)
  • (2)
  • (1)
本棚登録 : 67
レビュー : 9
著者 :
みつひろさん 単行本   読み終わった 

 電子書籍の黎明期に活躍した著者の経験に基づく様々なエピソードが詰まった一書である。電子書籍がコンピュータの進歩と密接な関係があるのは容易に想像できるが、まず本を電子版にすることで何ができるのかをゼロから作り上げていく話が面白い。私も多くの書籍を今は電子版で読んでいるが、最初の頃はかなり抵抗があった。紙でなければ本ではないという感傷的な思いと、スクリーンに映してしまうと書籍としてのメッセージの力が減退してしまうという無根拠の思い込みがあった。その多くは私の中では解消している。
 ただ、本が綴じられた紙の束として他と独立して存在しているという事実は、電子書籍の時代になって大きく変わったことは事実だ。電子書籍にはリンクを通して他の情報源にジャンプすることができるという点において他とつながっている。ただ、電子書籍としての領域は持っており、知識や経験の蓄積はその中に確かにある。ネット上に散在する情報と異なるのはあくまで一つの作品としての世界を持っていることである。
 電子書籍は自らの世界を確保しながらも、他とのつながりも仕組まれているという点において新たなメディアとして存在できたのである。これを立ち上げた人々の試行錯誤が本書には紹介されている。そして、これらの行為に敬意を表したくなるのである。

レビュー投稿日
2019年4月29日
読了日
2019年4月29日
本棚登録日
2019年4月29日
1
ツイートする
このエントリーをはてなブックマークに追加

『これからの本の話をしよう』のレビューをもっとみる

『これからの本の話をしよう』のレビューへのコメント

コメントをする場合は、ログインしてください。

いいね!してくれた人

ツイートする