ブックトークとはいくつかの書籍をある具体的テーマに基づいて関連付けながら紹介する読書推進策の一つである。本書で紹介されているものの大半は小学校での事例である。
ブックトークは主に図書館司書や司書教諭が担当するものらしい。これといった型があるわけではなく、どのような構成、演出にするのかは話者側の裁量にゆだねられている。創造的な教育活動であるので、試行錯誤も伴う。本書でも失敗を繰り返したという司書の報告が載っている。
実は小学生よりも中学生、そして中学生よりも高校生が読書をしないというのが現状である。読書にはさまざまな要因があり、高校生に小学生並みの時間をかけて読書させることはかなり難しい。彼らの周りには読書より優先すべき(と思っている)ことがあまりにも多いのである。
面白い本を創造的に紹介するブックトークの手法は、高校生にどれだけ響くのかはわからない。ただ、本書を一読して、その手法さえ工夫すれば高校生はもちろん、それ以上の年齢の人々への読書刺激をもたらすことはできそうな気がしてきた。ただし、それには方法論の確立が必要だ。図抜けたタレントだけができるのでは意味がない。ある程度の練習と経験を積めば誰でもできる方法論を考えてみなくてはならないと感じた。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
単行本
- 感想投稿日 : 2016年1月4日
- 読了日 : 2016年1月4日
- 本棚登録日 : 2016年1月4日
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