○ゼムクリップはもちろん、いま私たちの身の回りにあるもののほとんどはなんらかの技術の産物でしょう。そして、それらが現在の姿になるまでの経緯をみれば、そこには技術的な要因だけではない、経済(大量生産)や政治(規制、技術導入の社会的基盤など)、そして人間がその産物をどのように受け入れるか……などといったあらゆる側面があることがわかります。さらに、その産物に不便な点が存在することが、技術を発展させる原動力なのだと著者はいいます。
○ゼムクリップでいえば、より分厚い紙束を束ねたいときには限界があります。そこで、分厚い紙束を束ねるためのゼムクリップが派生する必要があるのです。右往左往、試行錯誤を繰り返しながら進む技術進歩の過程を伝えてくれる一冊だと思います。アメリカについての土地勘がまったくないので、そこはちょっと読みづらかったのですが……。
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- 感想投稿日 : 2013年12月20日
- 読了日 : 2013年12月10日
- 本棚登録日 : 2013年12月10日
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