明治維新と幕臣 - 「ノンキャリア」の底力 (中公新書)

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本棚登録 : 187
レビュー : 18
著者 :
もの知らずさん  未設定  読み終わった 

 この本は、「ノンキャリア」の人びとに注目することで、幕末と明治の連続性とその変容を明らかにしています。僕自身、学校では「明治維新によって幕府は滅びた」と習った覚えがありますが、行政機構として明治政府は脆弱な部分もありました。ですから実際には、幕府や各藩が長年の統治によって蓄積してきたノウハウを受け継ぐことで、明治政府は全国に渡る統治(いわば明治政府の自立)を可能にしていったのだといいます。

 そしてそのノウハウを知っているのは、行政実務にあたってきた幕藩の末端の人たち、つまり「ノンキャリア」でした。明治政府は榎本武揚や渋沢栄一といった旧幕側の人物、それも外国の学問に通じた人物を厚遇して迎え入れていますが、その他方で幕藩のもとで実務にあたってきた人びとも登用していったのです。

 本書の前半は、そうしたノウハウが蓄積される過程、つまり幕藩体制が成立する過程を概観し、後半でそのノウハウがいかにして引き継がれたのかということを箱館府(開拓使の前身)の事例を中心にしてみてゆきます。

 社会の激動とそれに対応する人びとの姿から、明治維新の違った一面が見えてくるかもしれません。

レビュー投稿日
2016年3月7日
読了日
2016年3月7日
本棚登録日
2016年2月17日
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