土漠の花 (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎 (2016年8月5日発売)
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本棚登録 : 917
感想 : 111
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第68回日本推理作家協会賞を受賞。

【あらすじ】
海賊対策のためジブチ共和国に駐屯する自衛隊の元に、遭難ヘリの救助命令が下った。日が陰り現場で一夜を明かす部隊の元に、命からがら隣国ソマリアから逃げてきた氏族の娘が救助を求めてくる。そして、彼らを突如銃撃が襲う。

【感想】
専守防衛の命令の下、極限状態でも攻撃できない葛藤ぶりが描かれるのかと思ったが、予想は序盤から覆された。虐殺者の蛮行は自衛隊員に選択の余地を与えず、殺られる前に殺る状況を作り出す。一方で、もう少し日本や自衛隊の特殊事情を踏まえた描かれ方があればと思った。
圧倒的不利な場所から撤退するため、問答無用の作戦で敵を蹴散らす姿は神々しいが、命を落とす仲間も多い。自衛隊が紛争地域に近い場所へ派遣され、戦闘に巻き込まれる危険性を考えさせられた。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2019年2月9日
読了日 : 2018年8月11日
本棚登録日 : 2019年2月9日

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