バルトーク: 民謡を発見した辺境の作曲家 (中公新書 1370)

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  • 中央公論新社 (1997年7月1日発売)
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高名なドイツの現代音楽の作曲家は、近代の東欧の作曲家について、下記のような評価をしています。東欧の作曲家は、ドイツ主流の音楽と比較すると、個性あふれる曲を提供している。ただし、ドイツ主流の音楽の枠内の変化球にすぎません。では、直球ではなく、変化球の作品をつくらなければならなかったのは、何故でしょう。ハプスブルグ帝国から独立した東欧の国は、国の独自性を文化に求めました。東欧の作曲家たちは、その願いに応えるべく努力しました。ただし、彼らは、ドイツ主流の音楽の優等生でした。その影響から逃れることはできませんでした。そのため、変化球ではあるが、ドイツ主流の音楽の枠内に留まりました。ある音楽学者は、それらの作品を観光地の土産物と評価しています。観光地の土産物は、全国区の商品と比較すると、素朴な味わいがあります。と同時に、観光地の土産物同士を比較すると、それぞれの土産物は無個性だと指摘しています。

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カテゴリ: 図書館
感想投稿日 : 2012年9月18日
本棚登録日 : 2012年9月18日

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