冷静と情熱のあいだ Rosso (角川文庫)

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本棚登録 : 11104
レビュー : 1148
著者 :
skmtさん 江國香織   読み終わった 

未来へ向かって進もう!前へ進もう!誰かを好きになったら想いを伝えよう!!
みたいな考え方が、いまの世の中の主流だと思う。

うんざりするほどの上昇思考の現代。
過去の恋愛にとらわれたり、うしろを振り返るのはネガティブだとされる。
前向きであることが、ポジティブであることが、人生なのだろうか。

忘れられない思い出、何年も前の約束、そんなものを心に秘めて生きているあおい。読み手によっては、悲劇のヒロイン気取ってる女だと思われそうな、陰のある女性。

彼女は前向きではないし、想いを伝えることもしない。
それは自己満足に過ぎないと彼女は知ってる。

堕胎のことを引きずるあおいを献身的に支えようとしたマーヴは救われなかった。あおいは彼に甘えたけど、頼りはしなかった。

みんなが一緒に幸せにはなれない。
それをネガティブとか、後ろ向きとか、悲劇のヒロインというのは簡単。
いつだって過去には勝てない。思い出に勝るものはない。

さみしいけどそういうことなんだと思う。

レビュー投稿日
2013年4月1日
読了日
2013年3月26日
本棚登録日
2013年3月30日
5
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