歩くような速さで (一般書)

著者 :
  • ポプラ社 (2013年9月24日発売)
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本棚登録 : 224
感想 : 25
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映画監督、是枝裕和さんのエッセイ集。

フランスで取材を受けた際、死者について描こうとする理由を問われた是枝さんの、苦し紛れの回答が印象的だった。

「日本にはあなたたちと違って絶対的な神様がいないから、その代わりが死者なんじゃないの。ご先祖様に顔向けができないって言葉もあるし。恥ずかしくない生を生きるために”死者”という存在が必要なんだよ、きっと」(P40より引用)

思いつきで言ったそうだけど、死者を神様のように想う習慣はあるなあ、と共感した。生きていく上で、死者をいいように利用しているのかもしれない。

戸惑っているなら、戸惑ったままでもいい。
そういう気持ちで作品を撮っているのだと知って、余裕を持つことの格好良さみたいなものを感じた。明確な答えなんて用意しなくてもいいのだ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 是枝裕和
感想投稿日 : 2021年10月5日
読了日 : 2021年10月4日
本棚登録日 : 2021年10月4日

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