都市のかなしみ―建築百年のかたち

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レビュー : 2
著者 :
skooooooooooooooooooooolさん けんちくのほん   未設定

著者の鈴木博之は、日本における西洋建築史の大家であり、現在、東大教授。来年あたりに退官される。本書は中央公論誌に連載していた随筆をまとめたもの。最近、ぼくは建築という分野にて面白い随筆の可能性を探っているのだが、んー、これはどうだろうか。あまりしっくりこない。扱うネタが少し大きすぎるのが原因かとも思ったけれど、自分の体験に即した記述に比重がおかれているのも確かだし、それだけじゃなさそう。迫力というか論のキレというか、文章自体の魅力に欠けるとしか言えないなー少し情報的すぎる、というか。

やはり随筆は難しい。学術論文だったら論理的であることはほとんど必要条件だから、最低限の専門的な知識と根性をもって読めば、読めない、ということは理念的にはありえない。随筆は身体的な水準の文章だから、そういう前提がない。論理的であることもひとつのファクターでしかなくて、判断基準は「(自分にとって)面白いか、面白くないか」という身も蓋もない理由にしか依拠しない。しかも、その面白さにはなにか有用な情報が組み込まれてないと、読者は確保できない。建築だったら、建築の情報。ひぇー

あの鈴木博之でさえ、あまり(個人的には)面白いとは言えないエッセイを書いてしまうことを思えば、平松剛の『磯崎新の都庁』は突き抜けてるな。その前著『安藤忠雄の光の教会』(だったっけ?)はいわゆる通俗的ノンフィクションのような性格が強すぎるように感じたけれど、『都庁』は、たしかに「面白い」。

レビュー投稿日
2009年2月13日
本棚登録日
2009年2月13日
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