燔祭の丘 建築探偵桜井京介の事件簿 (講談社ノベルス)

著者 :
  • 講談社 (2011年1月6日発売)
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本棚登録 : 377
感想 : 80
4

シリーズ完結。小説にしろマンガにしろ、途中でぐだぐだになったり、尻切れトンボのようになったりするものが多々あることを思えば、変わらぬテンションで無事完結しただけで御立派(最後まで付き合った自分もほめてあげたかったりして)。でご祝儀★4つ。
変わらぬといえば、大昔の(と、初期の作品で思ったんだから、今や大大大昔)少女マンガの読者との通信欄みたいなノリのあとがきも、最後まで同じノリだった。20年近くここまで変わらずにいられるのも不思議というかスゴイというか。
今作は、建築もかなぐり捨てて、桜井京介というナゾをめぐる伝奇風冒険ものになってしまったが、考えてみれば、これも最初から、探偵小説というのは偽装で、フジョシ向け伝奇風キャラ萌え小説だったからなあ(萌えるキャラがいないのが難)。
今作のお話は、後期の作の中では結構面白く、こっぱずかしい文章も、類型的キャラも、読んでるうちにだんだん気にならなくなった。

久遠グレゴリ(この人はなんでグレゴリなんて名前なんでしたっけ?)が全然存在感薄くて、ルパン三世のマモーのような、キャプテン・ハーロックのトチロウのような状態のような… そういえば蒼の首輪もルパン三世にありそうな小道具だ。

京介再失踪時のエピ(ナゾのロシア正教軍団との闘い?)は別作品にできると思うけど(今度こそ偽装なしの伝奇)、どうするんだろ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 日本小説(娯楽)
感想投稿日 : 2011年5月30日
読了日 : 2011年5月28日
本棚登録日 : 2011年5月30日

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