飛ぶ夢をしばらく見ない (新潮文庫 や 28-3)

著者 :
  • 新潮社 (1988年11月1日発売)
3.42
  • (19)
  • (24)
  • (69)
  • (9)
  • (1)
本棚登録 : 284
感想 : 42
4

これだけ荒唐無稽な話が好きだ。

本書の主人公田浦は中年という人生の折り返し地点にたって、はじめて本当に愛すべき女性に出会う。

山田太一氏といえば数々の名作があるが、
私がこの本に出会ったのは、偶然・・・

新潮社の本は独特の紙触りと質感が好きで、それだけでもひいきにしていた時期がありました。
この本を手にとったのは、題名に惹かれたことがすべてです。

題名の意味がよくわからない。。
そこが山田太一氏の作品との出会いでした。

主人公の男性、田浦は、中年の男性、右足の骨折で入院した病院で衝立越しに1人の女性と出会う。

しばらくして、その彼女と再会をするが、彼女には驚くべき変化が・・・

精神的にではなく、肉体的に、外形的にどんどん若くなっていく・・

男性は、もちろん、年を重ねていくことになる。。

女性は、最終的には子供と言っていいところまで行く。

しかし、2人は愛し合っているため、そんなことにひるんでいない。


2人の関係は読んでいての日現実感をあまり感じず、何とも読後感がいい。

そしてラストのシーンは、何とも切なく、何とも暖かく・・・

今まで体験したことのない小説の世界観が私は好きな作品です。



読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 本・雑誌
感想投稿日 : 2018年10月28日
読了日 : 1994年11月25日
本棚登録日 : 2018年10月28日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする