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「さぁ、浚子さん、グラスをあげて。再会を祝し、まず乾杯といきましょうよ」シャンデリヤに煌くボルドォの一九四五年マルゴォ酒は氷のように冷たく、真っ赤な血の色をしている。溪谷の奥深く、すでに手離すことに決められた山荘を舞台に、現在は没落した老舗の商家に育った姉妹が織りなす心理の葛藤。愛と憎しみが光と翳のようにまつわり、絡みあい、ひめやかにそして熾烈に「あの日」を再現しようとする。そして思いもかけない結末が……。鬼才赤江瀑が妖しく、瀟洒に描く表題作他四篇を収録。
マルゴォの杯・千夜恋草・緋の蘰を額につけ・刺青の海で夏・春恨記
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カテゴリ:
幻想
- 感想投稿日 : 2009年3月6日
- 本棚登録日 : 2009年3月6日
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