読んでいてね、なんか泣きたいのに涙出ない、ぐっと、あと一歩のところでどうしてか出ない、そんな本だった。
多分、この感覚を共有できる人は、なかなかいないんじゃないかなと思っている。
いや、分かる、だから話そうよ、って声をかけらることがあるけれど、なんか違うなという本能は当たっていて、しゃべらなくてよかったといつも思う。
繰り返す、繰り返す。
だから私は生きづらいんだ。
最初の方で、終生大事にしている風景というものが出てくる。
そこに東京の景色はないとあるんだけれど、まぁ私は東京近郊の出身で、帰るところというものがさほどなく、故郷というものにむしろあこがれを持っているのだけれど、そんな私も確かに東京の景色は死ぬ間際になんて思い出さないだろう。(もちろん今住んでいるところも思い出さない)
私が思い出すのは、夏の青い空と白い雲だ。
鳥なんていない、雲だけが浮かんでいる空。
知らない景色なんだけれど、仰向けに倒れて空を眺めて死んでいく、本当に死ぬ間際にも、このどうしてか覚えている景色を思い出すのだろうか。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
エッセイ
- 感想投稿日 : 2017年10月16日
- 読了日 : 2017年5月13日
- 本棚登録日 : 2016年8月8日
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