間の日本文化 (講談社現代新書 495)

著者 :
  • 講談社 (1978年1月1日発売)
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感想 : 1
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比較文学の先生による、「間」をテーマとした日本文化論。仕事絡みでの調べもののため図書館で借りたのですが、初版1978年、定価450円という表記に時代を感じました…。

「間」の定義が欧米文化と日本文化で違う、という指摘はなるほどなと思いました。欧米では単に空白とか、あるべきものが欠落した状態と解されるのですが、日本における「間」は積極的に創造されたものだ、と。
だからこそ、例えば住居でも欧米は無駄な空間を作らないのですが、日本家屋は床の間があったり、玄関や縁側が外と内を結ぶ空間として尊重され、衣服でも和服は四季折々の自然の風景を取り入れて、自然と人間を媒介する役割を果たしているというのが本著の主張です。
今となっては、伝統的日本家屋が新築されるコトもほとんどないと思いますし、上記の独自性も少し薄れているような感もありますが、自然と人間を媒介する観点では借景の考え方なんかは残っている気もして、日本人のアイデンティティとして自覚していくべきことなのかなと思います。

ちなみに本著、さすがに45年前の出版だけあって、今となっては…という記述もちらほら。
混んでる列車内では子どもは詰めて座るのが常識だ、という記述があったのですが、今や個人主義の世の中で1人1席になってるような気も。あと、立小便は日本の文化だ!的な記述もありました(笑
しかし「行間を読む」って表現、本著でも取り上げられており、日本語独自の表現だと思っていたら、英語に「read between the lines」というほぼ直訳の表現があり、ちょっと肩透かしを食らった感じもあります。

個人的には、日本文化論としては本著よりも「なんとなく、日本人」の方が面白かったなと。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: なんとなく興味ある圏
感想投稿日 : 2023年9月9日
読了日 : 2023年9月9日
本棚登録日 : 2023年9月9日

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