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本棚登録 : 127
感想 : 14
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イスラム国がどのようにして生まれ、どんな経緯で広がっていったのか。上巻では、ザルカウィというヨルダン生まれの指導者の生い立ちと、彼がイラクで徐々に勢力を拡大していく様が描かれています。
この分野、個人的には全く詳しくなかったので本著は良い機会になりました。アメリカのイラク占領前に、ザルカウィはビン・ラディンから資金援助を受けていたんですね。

テロを起こす側、守る側双方の目線で描かれるため、登場人物は非常に多いのですが、綿密な取材に基づいた記述は臨場感があって、一人ひとりのキャラ立ち(と言っていいのやら…)がハッキリしていて読み物として面白く読み進められます。さすがピュリッツァー賞受賞作品。

読んでいて苦々しく感じたのは、アメリカがイラクで実施した政策のまずさ。(後からなら何とでも言えるのですが…)「衝撃と畏怖」作戦と称して戦術的には勝利したものの、現地の統治機構を破壊してしまって行政が成り立たなくなり、そこをザルカウィにつけ込まれてシーア派とスンニ派の対立構造、加えて米軍も含む三つ巴の争い状態が生まれてしまう。
上巻で面白かったのはヨルダンの情報機関GIDの活躍。「赤い悪魔」なんて二つ名がついている人物もいて、テロ計画への対処なんかのエピソードも面白かったです。

しかし本著、校閲不足の感が否めない。目を挙げると…ってどうやって挙げるんだ!似たような誤字脱字が5箇所以上あり、見つけるたびに集中力が削がれてしまったのが残念。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 歴史
感想投稿日 : 2018年3月10日
読了日 : 2018年3月9日
本棚登録日 : 2018年3月6日

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