作者は長篇も書いていて、映画化もされているものもあります。しかし本領発揮は、本書のような短篇集においてでしょう。
スタイルとしてはリアリズムの枠内に収まる作風です。イギリスやアイルランドを舞台にして、人間関係(特に男女)における憂いを絶妙な抑制をもって描いています。表題作のように不倫や浮気を描いている作品がいくつか含まれていますが、そのようにどちらかというと通俗的な人間関係にもきちんと機微を見出すことで、しっかりと読ませます。
個人的には、本作は映画『マンチェスター・バイ・ザ・シー』を想起させる作風でした。どちらも人間関係における憂いを基調としています。
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- 感想投稿日 : 2019年4月14日
- 読了日 : 2019年4月14日
- 本棚登録日 : 2019年4月14日
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