白菊-shiragiku-: 伝説の花火師・嘉瀬誠次が捧げた鎮魂の花

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  • 小学館 (2014年7月17日発売)
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毎年8月に行われる長岡花火。その最初に打ち上げられる花火、白菊。それは、花火師・嘉瀬誠次の魂を込めた鎮魂の花火である。

見ているだけで涙を誘われる“日本一感動する花火”とも評されている長岡花火。
長岡出身の筆者が、長岡花火に感動してしまう理由を解き明かす。

花火師 嘉瀬誠次は、日中戦争に従軍し、戦後シベリアに連行され、強制労働に従事させられる。劣悪な環境の中、戦争を生き延びた仲間たちの多くを喪った。
また、1945年8月1日にアメリカ軍によって行われた空襲によって長岡市民が多く犠牲となる。
長岡花火は、これら戦争及び戦争関連犠牲者慰霊の為に打ち上げられる花火である。
そしていま、その鎮魂の思いは、新潟県中越地震、東日本大震災の犠牲者にも捧げられている。

その花火に込められた思いが、長岡花火を知る人に、そして長岡花火を知らない人にも確実に伝わってくるのだろう。

著者は、混浴ライターとしても知られる山崎まゆみさん あの、BE-PALで温泉の記事を書いていた彼女は、長岡出身で嘉瀬誠次を直接知る関係にあった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2014年9月19日
読了日 : 2014年9月19日
本棚登録日 : 2014年9月19日

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