読了:2018/10/3
おそるおそる読んでみたのだが…ブログで受けたのと同じ印象だった。
「どうしてこんなに、上から目線なのだろう?」
見も知らぬ相手、それも助産師で3人の母である作者とは、経験も知識も資格も全く違って当然の、素人で初産の母親相手にまで…。
そして、お母さんに対する一種の呪いをかける本だと思うのだけど、気にならない人多いのかな…信者になってしまえば気にならないのかな…。
「お母さん=こうすべき」という言い切り・押し付けが多くて、「そうではないお母さん」に対して配慮がない。もしくは本当に「母乳育児ができないお母さんは失格」とでも思っているのではないかと感じてしまうほどの言い切り方。
あとがき最初の一文、「本来なら母乳育児は、たいがいのお母さんにできるはずなのです。」
これの破壊力が半端ない・・・。
この言葉の隠れた前提や、この言葉が含む意味は、こういうことだ。
・どんな母親も母乳育児をしたいと思っているはず
・がんばればできるはずなんだからがんばるべき
・母乳育児ができなかった母親は、できるはずのことができなかった人
こんなに母親を追いつめることを平気で書きながら、「赤ちゃんのため」「お母さんのため」だと本心から思っているところがとても恐いと思った。
こんなこわい助産師さんがいるのなら、私はBFH (Baby Friendly Hospital) で産まなくて本当に良かったと思った(アレな助産師はいたけど…)。
同じ母乳礼賛でも「ちょっと理系な育児」の方が、目線が母親と同じなだけまだマシ。根拠となる医学論文が明示してあるし、「お母さんの食べたもので母乳の味が変わる」「脂っこいものやお餅でおっぱいが詰まる」などの、助産師の間の伝承(としか思えないトンデモ説)もきちんと否定されているし。
さらに言うと、医学的根拠の明示有無や語り口調の中立さなど、色々な面で「らくちん授乳BOOK」の方がはるかに良い。
- 感想投稿日 : 2018年10月3日
- 読了日 : 2018年10月3日
- 本棚登録日 : 2018年10月3日
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