こころの傷を読み解くための800冊の本 総解説

3.56
  • (3)
  • (5)
  • (6)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 67
レビュー : 14
著者 :
snow222さん 新書・読み物   読みたい 

[図書館]
読了:2005?

メアリー・ベルのことをこの本で知った。ほかにもジェフリー・ダーマーなども出てくる。山岸凉子の本も「パイド・パイパー」などいくつか。

「仮面の家」のレビューが重かった。

家庭内暴力の息子を、高校教師である父親が殺害した。真面目な教師であった父の教え子など、減刑嘆願の署名が8万人分。弁護士も「男の立ち直りのための策に尽きた被告らが、心身ともに極度に疲労した中での反抗」と執行猶予を求める――

「ここには、殺された息子の立場に立つ人がだれもいない。」との作者の指摘は鋭い。
彼には、「遺族」がいない。家族を奪われた怒りと悲しみを殺害者にぶつけ、闘ってくれる遺族がいない。なぜなら、その遺族こそが彼を殺した犯人、彼の父母だから。

児童虐待殺人の殺人者が、異様に軽い刑で済まされることと同じ構造だな。


殺すとき、「親を親とも思わない人間は、親の手で殺してやる」と言ったそうだ。直接の暴力はまったく受けてもいないのに…。親とも思わない扱いをされるのは、自分がそういうことをしてきたからだと、自分を省みることは絶対にしないのだね。

自分は良い親。その前提は決して崩れない。だから、良い親に逆らう息子が悪いという結論になる。
「愛情を持って育てたのに、想定通りに育ってくれなかった子ども」に耐えられないから、殺した。
バットで殴られながら命乞いした息子を「もうおそいんだよ!」と一蹴し、殺した。

「愛情を持って育てた」ことも、「もうおそい」ことも、親が勝手に決めてしまった。本当はそうではなかったのかも知れないのに。そしてそれを、子殺しの正当化に使った。その傲慢さがこの親の罪だ。

レビュー投稿日
2011年2月6日
本棚登録日
2011年2月6日
0
ツイートする
このエントリーをはてなブックマークに追加

『こころの傷を読み解くための800冊の本 ...』のレビューをもっとみる

『こころの傷を読み解くための800冊の本 総解説』のレビューへのコメント

まだコメントはありません。

コメントをする場合は、ログインしてください。
ツイートする