週末、というかオフの日を過ごす人たちの日常を描いた8編の短編集。
1編を除いて若い独身女性が主人公ではあるが、柴崎作品はだらだらしたモノローグが続くことがないので、安心して読める。普通なら感情表現で埋めつくされるページが、客観的な描写と会話でどんどんつながっていくので短編映画のようだ。まわりの光景、物の色、人の会話が、目の前で起こっていることのように感じる。
とはいえ、書かれているシチュエーションは自分にとっては少し距離のある世界のことなので、主人公に感情移入するほどではなく、そのギャップがまたよかった。
仮に、ここに登場する主人公たちが柴崎作品を読んでも理解できないような気がする。それでも著者は、そういう人たちを親しみを込めて書いている。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
文学・評論
- 感想投稿日 : 2013年2月16日
- 読了日 : 2013年2月10日
- 本棚登録日 : 2013年2月16日
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