「往⽣絵巻」 1921年(⼤正10年)
北村薫の『六の宮の姫君』で、これの原作を読んだ菊池寛がこういう男の口に白蓮華が咲くのは許せないとのたまい、芥川がそれじゃあ俺が書くよと言って書いたというような挿話が書かれてました(うろ覚え)。
原作は、私が思うに空也上人の「一度でも南無阿弥陀仏を唱えたものは成仏できる」という思想を踏まえた仏教説話だと思われます。
その線から考えれば別にまちがってはいない。
芥川は沢山の登場人物を出して、演劇的に処理しようとしているが、かえって話をややこしくしているだけという感があります。何がしたかったのかよくわかりません。
【題材となった古典作品】
☆『今昔物語集』 巻19の14 「讃岐の国の多度の郡の五位、法を聞きて即ち出家せる物語」
巻19第14話 讃岐国多度郡五位聞法即出家語 第十四
https://yatanavi.org/text/k_konjaku/k_konjaku19-14
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
芥川×今昔物語集
- 感想投稿日 : 2023年8月18日
- 読了日 : 2023年9月2日
- 本棚登録日 : 2023年8月16日
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