編集中。
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磯崎新×浅田彰の討議があれば、難波和彦、松田達、南泰裕、五十嵐太郎、藤村龍至らの論考があり、
OMAを語る上で欠かせない用語の解説辞典や著作・年表まで収録されている。
現代建築の巨人レム・コールハースを多角的に知ることができる。
そして再びレム・コールハースの著書を読みなおしたくなるような本に仕上がっている。
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普通は建築としての機能や意味、組織構造や背景にある様々なものをどれだけうまくレプリゼント(表象)したものになっているかということが基準になる。
あの時の審査会の議論もそれだった。・・・・だけどそれを言ったら負ける。・・・・
背後にある組織を表象するなんて考えずに、逆転させて、建築はまずアイコンだというふうにすればいいじゃないか。(磯崎新)
全世界的な規模で開発をやるならアイコニックビルディングがかならずいる。(磯崎新)
機能や象徴性を無視したアイコンという磯崎さんのトリッキーな理論が、磯崎さんさえこだわっていた構造の部分にまで貫徹されてしまったと言うべきかもしれません。(浅田彰)
(WTC跡地コンペについて)コンペ自体よくなかったし、リベスキンドの案もシンボリックに過ぎた、しかしそれがまた資本主義の荒波の中でもみくちゃにされて、最終的にほとんど見る影もなくなってしまった。
これは21世紀の初めにおける近代建築の末路と言うべき事件かもしれません。(浅田彰)
レムに言わせれば、ウォレス・ハリソンはそういうコピーと量産の理論に居直った所が逆に面白いんだと。(浅田彰)
バナールなものが量によって質を圧倒する。
中国からアフリカまで含めて、いわばエクサーバン・ネットワークみたいになったハイパーシティ=ハイパーヴィレッジをどう考えるのか、というのは、確かに現在の最大の問題です。(浅田彰)
レムはブランディングという戦略に注目する。磯崎さんの言われた「ロゴス」ならぬ「ロゴ」、あるいはアイコンにつながるものです。プラダでも何でもいい。とにかくブランドを作り、ロゴなりアイコンなり決めてしまえば、それがグローバル資本主義の波に乗って拡がり、事実上の価値となる。(浅田彰)
フランシス・フクヤマの言ったように冷戦終結で歴史が終わり世界がアメリカ型グローバル資本主義の下で均質化するかと思いきや、そうはならなかった。重心がアジアに移っていくということもあり、むしろ訳のわからないものがいろいろな場所で突出してくるということもあって、流動的かつ予測困難な状況になっている。(浅田彰)
シニシズムからスノビズムへ(磯崎新)
- 感想投稿日 : 2009年5月29日
- 本棚登録日 : 2009年5月29日
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