上善水の如し:善とは水のようなものだ。水は、万物や人々に多大な利益をもたらすが、人々が嫌がる低地に流れおり、決して争うことをしない。だから、自然界の水は、あるがままに生きている。
乱世だから忠義が生まれた:昔は誰もがあるがままに生きていた。しかし、今はそうはいかない。ふつうに生きることが難しい世の中になって人びとの心が荒廃してくると、礼儀作法のような人々を規制するルールが生まれた。おまけにみんながこざかしい知恵を持つようになって、だましあいがさかんになってしまった。昔は勉強などしなくても、家族や親族は仲良く暮らし、国家も自然に成り立っていた。
あるがままに生きることが難しくなると、親族間も不仲になり、それを正すために孝行や、慈愛といった教育が必要になった。同様に、国家が乱れたからこそ、忠臣が生まれたのだ。
水のように空気のように:世の中でもっともやわらかいものが、世の中でもっとも硬いものを思うがままに、突き動かす。それが水であり、空気である。
形のないものは、どんな隙間にも入り込む。私たちは、水や空気のように無為の生き方をしよう。説明したり、言い負かしたりせずに、あるがままに生きよう。
天網恢恢、疎にして漏らさず。
強さより柔らかさ:人間は、生まれたばかりのときは柔らかくか弱いが、死ぬときは固く、硬直する。
どんなものでも、最初は草木のように柔らかく脆いが、死ぬときには枯れて、固くなる。
頑固に執着する姿は死んでいくことに等しく、柔軟で弱々しいようすは、生きている証だ。
現代語に意訳して読みやすい部分もあるのかも知れないが、どうも安っぽい感じがした。
またこの時代は識字率が低く、読まれる上流の人たちを意識して書いたせいか、リーダーの心得みたいなものが多くてイマイチだった。
- 感想投稿日 : 2015年8月24日
- 読了日 : 2015年8月24日
- 本棚登録日 : 2015年8月10日
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