映画『言の葉の庭』が好きで小説も気になっていたので、読みました。
まず、目次を見て「秋月孝雄」「雪野」以外の名前が並んでいることに驚きました。てっきり、秋月君と雪野さんの2人の視点を書いているのかと思っていたので、目次を見ただけでワクワクしました。
映画は何十回と見ているので、秋月君と雪野さんに関しては、小説の掛け合いを見ながら、こんなかけないなかったなとか、こんな思いだったんだと新しい発見がありました。特に、雪野さんの心理描写は少し意外だな思い、でも雪野さんも普通の人間なんだなっと気付かされました。映画では謎めいた女性像が最後までつきまとっていて、どこか違う世界の住人のようなところがありますが、小説版を読んですとんとはまりました。
映画では語られていない部分も多くありました。特に、伊藤先生、相澤先輩は映画で憎まれ役となっていますが、小説版を読んで、自分が同じ状況下におかれたら彼らと同じ選択肢をとる可能性もあるなと思い、少し見方が変わりました。人の不器用さと、人と人とで伝わらないことの多さを思い知らされました。
「どうせ人間なんて、みんなどっかちょっとずつおかしいんだから」、そんな人間味がないようで、すごく人間味がある言葉が、言の葉が心にしみる1冊でした。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2017年1月14日
- 読了日 : 2017年1月14日
- 本棚登録日 : 2017年1月14日
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