ハワイの海洋生物研究所に勤務する銛浩美の元に、日本から一本の電話が入る。
相手は母親だったが、話の内容は浩美が生まれ育った湘南の海が直面している危機についてだった。
ここのところ、大量の白ギスの死骸が海岸に打ち上げられているという。
職場に許可を取り、調査の為に帰国した浩美を待ち受けていたものは......。
2014年4月6日読了。
文庫ばかりをチェックしていたのですが、久々に四六判で新刊が発売になっていました。女性ヒロインの活躍する海洋ミステリ小説です。
ここ数年かけて、リズムだけではない、新しい文体に挑戦されてきた喜多嶋さんの、まさに力作に仕上がっていると思います。
扱っている内容は一種のテロ行為。詳しくは書けませんが、これが実際に起きたら本当に恐ろしいという内容です。
ラストで空港に向かったヒロインが、元恋人の元にUターンする場面は新鮮。これまでの喜多嶋作品だったら、ヒロインはたぶん、ほろ苦い想いを噛みしめながら、飛行機に搭乗して終わっていたんだろうな。
随所随所に、新しい風が吹き込まれていて、これはこれで良い作品に仕上がっていると思います。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
喜多嶋隆
- 感想投稿日 : 2014年4月6日
- 読了日 : 2014年4月6日
- 本棚登録日 : 2014年4月6日
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