統辞構造論 付『言語理論の論理構造』序論 (岩波文庫)

  • 岩波書店 (2014年1月17日発売)
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外国語学部英米語学科で学んでいたことがあるけれどノーム・チョムスキーさんを知ったのは最近です。大学へ行って何をしたかったかというと柄谷行人さんの勉強をしたいという邪な理由でした。この理由を誰かに話したとしてもそれに理解を示してくれる人はいないだろう。柄谷行人さんの勉強(大学的に言えば研究)をしたいならば法政大学や近畿大学、柄谷さんの学んだ東大へいけとか言われるだろうし、そんな理由で大学へ行く人もあまりいないだろうと思います。

僕には受験勉強恐怖症という持病があって駄目なんですね。僕には多分生まれた時から社会主義的傾向があって純粋に学ぶということならいいのですがクラスで一番になるとかそういった真っ当な動機に拒絶反応が出てしまうのです。それで受けて偶々受かった大学へいって自分で柄谷行人さんを勉強(研究)すればいいだろう、学ぶのは何処でもできると思いましたね。一応大学へも行っていたので恵まれた環境といえばそうなんですがその大学へ柄谷行人を研究しようとして入学する人は今までもこれからも多分僕一人ではないかと思うのですね。

それで言語学に縁ができまして、でもチョムスキーさんはよく知らなかったのです。その大学に在学中に柄谷行人さんの講演を東洋大学の井上円了記念館に聴きに行ったりして、確か安吾についてでしたが念願かなったりといった感じでしたね。柄谷行人さんの講義を是が非でも受けたかったのです。

そうやって過ごしていて大学三年の時に危機的に体調を崩しまして結局勉強は潰れたような感じになり卒業だけはしましたね。そういった状況で卒業するのに価値があったのか疑問はあります。

今でも柄谷さんの書評など楽しみにしているのですがその中でアルンダティー・ロイさんの作品が紹介されていたのです。その本はとりあえず読んで他の著作も図書館で借りて読んでみたのですね。その中の一冊にノーム・チョムスキーさんがノーベル賞を受賞できない世界は間違っていると言った感じのことが書かれていて興味が湧き読んでみたのです。なので僕がチョムスキーさんを知ったのは言語学者からではなくリバタリアン社会主義者としてのチョムスキーさんなのですね。

そういったきっかけでチョムスキーさんの言語学も読んでみたのです。びっくりしましたね。卒業だけした大学に残してきたものがこういった経緯で言語学への興味に戻ってきましたね。柄谷行人さんとノーム・チョムスキーさんという存在も僕には大きなつながりがあって危機的な体調不良で挫折した感があった勉強(研究)が戻ってきました。そうなんだなどこでも勉強できる。今の僕には大学など無縁ですが何処でも学べるのだという思いと柄谷さんを研究していた頃を思い出しましたね。

外国語学部で学んで言語学を知り、柄谷さんもリバタリアン社会主義的な考えであり、その影響をもろに受けた僕という人間がノームチョムスキーさんに出会うというのはなんだか因縁めいたというかドラマティックというか縁というか運命なのだろうと思いましたね。僕が生まれた時からあった社会主義的傾向が自分自身にもようやく理解できる時が来たのだなと思いますね。

「統辞構造論」「形態音素論」「論理構造」「3つのモデル」を読んでみたいですね。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2014年6月28日
読了日 : 2014年6月28日
本棚登録日 : 2014年6月28日

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