第10回江戸川乱歩賞受賞作。
動物園の熊の檻の前で凄惨な傷を負って死んでいた男。彼の戦友だった池見と週刊誌記者の鹿子は他殺ではないかと思い事件を調べ始める…
前半は事件の謎を追う二人と、新興宗教団体や取引に失敗した商社の話、そして戦時中の日本兵が犯した非道などが混在して話が見えないのだが、中盤からそれが徐々につながっていくと盛り上がる。
ミステリとしての意外性もあるが、戦時下では誰でも許されない罪を犯してしまうことがあるという恐ろしさが何よりも心に残った。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
ミステリ日本
- 感想投稿日 : 2014年10月3日
- 読了日 : 2014年10月3日
- 本棚登録日 : 2014年10月3日
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