坂口安吾 [ちくま日本文学009]

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レビュー : 43
著者 :
レコスケさん  未設定  読み終わった 

安吾の代表作をほぼ網羅した編纂本。小説もエッセイも初読の作品が並ぶけど、その作品が作家の体をなした徹底的に現実的な社会史観の語り部としての部分特に面白く読めた。
「続堕落論」の「文学は常に制度の、また、政治への反逆であり、人間の制度に対する復讐であり、しかして、その反逆と復讐によって政治に協力しているのだ。反逆自体が協力なのだ。愛情なのだ。これは文学の宿命であり、文学と政治との絶対不変の関係なのである。」。
日本文化史観の「法隆寺も平等院も焼けてしまって一向に困らぬ。必要ならば、法隆寺を取り壊して停車場をつくるがいい。我が民族の光輝ある文化や伝統は、そのことによって決して滅びはしないのである。(中略)必要ならば公園をひっくり返して菜園にせよ。それが真に必要ならば、必ずそこに真の美が生まれる。そこに真実の生活があるからだ。そうして、真に生活する限り、猿真似に恥じることはないのである。それが真実の生活である限り、猿真似にも、独創と同一の優越があるのである。」。
市井の善良な体をとる思考停止に対する冷徹な安吾の声。自分はきちんと思考しているか?いま改めて日本人としてしっかと彼の姿勢を受け止めたい。

レビュー投稿日
2019年4月6日
読了日
2019年4月6日
本棚登録日
2019年4月6日
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