死刑執行人の苦悩 (角川文庫)

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 人を殺すのには理由がある。
 死刑囚となったからには、怨恨、飢え、欲望のままになど、何らかの理由で人を殺めている。(冤罪の場合もあるのだが)

 しかしながら、死刑囚の執行をする死刑執行人には人を殺す理由はない。ただ、規則に従い、人を殺さざるを得ない。
 死刑執行をして初めて一人前といわれる世界で、死刑執行をすることでいくばくかの手当てを受けなければいけない人間の苦悩はいかほどのものなのだろうか。
 もちろん、死刑が確定し、執行を待ち続けることしかできない死刑囚にも想像を絶するほどの苦悩があるだろう。けれども、何の恨みもない(もしかすると冤罪かもしれない)人間を手にかけなければならない死刑執行人は、何なんだろう。心に傷を負いながら、守秘義務があるゆえにそれを口にできないというのは、なんという辛さなんだろうか。

 今まで死刑執行について、そこまで深く考えていなかったのだけれども、殺す、ということを生々しく感じさせた。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ノンフィクション
感想投稿日 : 2017年9月24日
読了日 : 2017年9月24日
本棚登録日 : 2017年9月24日

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