書名に偽りありと感じる。

実際の業務を想定した高度なモデリング例が列挙されているのかと思いきや、前半の半分程度はデータモデリングの初歩的なことについて説明しており、後半についても業務知識を説明しながら基本的なモデリングを紹介していて、少なくとも自分が書名から想像した内容ではなかった。『業務データモデリング入門』くらいのタイトルが良かったのではないか。

また、基本的な事柄の列挙という点では一定の価値がある一方で、設計や開発の方針・方法についてかなり偏りが感じられる(例として SQL アンチパターンの Entity Attribute Value を採用しない見積もりは工数水増しだと断じている)など読む上で注意が必要であり、入門書としても勧めにくい。

2022年1月15日

読書状況 読み終わった [2022年1月15日]

Neo4j についての本だが、グラフデータベースの仕組み・考え方について簡潔にまとまっていて良かった。少し前の出版で想定している Neo4j のバージョンが古いので、実際に Neo4j を触るようであれば最新バージョンとの差分については別途調べる必要がある。翻訳については、インデックスなし隣接性 index-free adjacency などの重要単語については英語も併記して欲しかったほか、翻訳が怪しい箇所が何箇所かあったが、概ね問題なく読めた。

2021年9月17日

読書状況 読み終わった [2021年9月17日]

概要をざっと眺めるのに良かった。ただ、単純な誤字が結構あるほか、文脈からわかる誤り(e.g., 子孫と先祖が逆になっている)があるなど、校正の甘さを感じる。

2021年2月7日

読書状況 読み終わった [2021年2月7日]

広く浅くわかりやすく記述されているので入門書として良いと思う一方、誤字脱字が多く読解に気をつける必要があるため人には勧めにくい。
(一般的な誤字脱字以外に、咽頭と喉頭の誤植など厄介なものもある)

2020年10月23日

読書状況 読み終わった [2020年10月23日]

第4部までと第5部以降で大きく感想が変わる本。

第4部まで(全体の半分弱)は以降の議論のための土台を用意するためにプログラミングパラダイムや SOLID 原則などが解説される。ここは概論がよくまとまっていて、読んでいて楽しい。
ただし、親切丁寧な解説というわけではないので紹介されるそれぞれの概念を初めて知る人向けというよりは、多少なりとも知っている人がよりクリアに理解するための文章という気がする。

第5部以降がこの本の主な主張かと思われるが、ここからは結構癖が強い。
有用な記述もあるものの、全体的な印象としては「理屈はわかるが、それは現実的か……?」と感じるものが多かった。
(あと、読んでいると何故かめちゃくちゃ眠くなる)

後半については原理主義的な強い主張が多く、実践に直結するかと問われると、個人的には No だと言わざるを得ない。
しかし、少しばかり極端な考え方に触れておくことは自分の思考の振り幅を広げる上で有用だと思うので、そういう意味では良い本だと思う。

2020年5月9日

読書状況 読み終わった [2020年5月9日]

数年ぶりに読み返したがやっぱり良い本。

主に業務系のデータベースを設計する上で重要なことがシンプルに書かれている。
「コードと ID の違い」「正しい正規化」「アウトプットから考え始める」「RDBMS は極論するとレポート生成器」あたりが特に良い。わかりみにあふれる。

書き口はちょっと独特。

2019年11月26日

読書状況 読み終わった [2019年11月26日]
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