1巻にあった著者の熱気が戻ってきた3巻。ただ、1巻がとにかくお祭り騒ぎだとすれば、3巻は生と死が生々しく見せつけられる点で、大きく異なるようだ。
インドの旅に見られる苛烈さも確かに目を引く。でも、この巻での傑作はカトマンズ編に違いない。20ページほどの短い章ながら、手紙文にこぼれ話が穏やかな調子で並べられるうちに、そのトーンを保ったまま、いつのまにか鬱々とした無感動な日々のありさまへ結ばれていく。読んでいてぞわぞわしてくる。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2016年8月28日
- 読了日 : 2016年8月28日
- 本棚登録日 : 2016年7月2日
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