面白い構成に惹かれて、読み進んだ。
徹と美和の、最初の頃の電話デートがかわいかった。恋の始めは、やはりいいなあ。
そして、カシムと百合子。
67歳百合子のメール
"若い頃でなくてよかったと思っているのです。今の、幾つか恋をして生き、他人を振り回したり、振り回されて面白がったり悲嘆に暮れたりしたあとの、この私と貴方で。
かといった、決してゲームをしたいのでもありません。そんな悠長な遊びに費やす時間はこれっぽっちもなく、ただただ本能のようなものの指し示すまま、しかし年月の中で培った強い自制心とともに私はこのEメールを書いています。" 203ページ
その年で、こんなメール出してみたいな。
70歳ユルマズのメール
"こんな魂の空き地がまだ自分にのこっていたなんて、私はまるで気づかなかった。" 246ページ
小説とはいえ、なんだかまだこの先に希望が出てきた。
"いや、恋は盲目だったと自制は正確にしなければね。我々はいつでもあとからそれに気づく。"
374ページ
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2016年5月3日
- 読了日 : 2016年5月3日
- 本棚登録日 : 2016年4月27日
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