世紀末倫敦ミステリー事件簿 背徳の学び舎 (ノーラコミックス)

  • 学研プラス (2017年12月19日発売)
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本棚登録 : 42
感想 : 7

主人公の一人であるアルがとても魅力的。まだ二十歳そこそこといった若年齢に関わらず、受け入れた下宿生(主に一郎だが)の面倒を責任持って見、トラブルに巻き込まれれば庇ったり必死になったり…亡き父の意思をしっかり受け継いで行動するアルは実に素敵な紳士でした。
そんなアルと比較して一郎は軽率な行動が多く、推理にもそんなに力を貸したわけでもなく…。そういうちぐはぐコンビとして描かれた作品であるのは承知の上で、一郎の魅力がアルに伝わるシーンがもっと書かれて欲しかったです。それがあれば一郎釈放の為にアルが犠牲や危険を払ったシーンも、こんな奴の尻拭いさせられるなんて可哀想などと思うことがなかったかもしれません(笑

非BLと知っていながらも四谷先生原作ですしタイトルから耽美的な内容を期待していたのですが、主人公たちが背徳的なことに巻き込まれることもなければ事件も学び舎で起こることもなく…タイトルに惹かれて手に取った方は少々残念な思いをされるかもしれません。
ですがそれを差し引いてもアルが魅力的な紳士であり、本格的に謎解きしていてミステリーとしても十分に楽しめる作品でした。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ミステリー
感想投稿日 : 2018年5月6日
読了日 : 2018年5月4日
本棚登録日 : 2018年5月4日

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