晩年 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
3.51
  • (221)
  • (288)
  • (648)
  • (67)
  • (14)
本棚登録 : 5182
感想 : 297
3

自殺を前提として遺書のつもりで作ったという処女短編集だが
鬼気迫るものよりも、自尊心の塊ゆえのおかしみ・かわいらしさを感じた。
決して明るく楽しい作品では全くないのだが、
若くて青臭い登場人物たちが愛おしく思えた。

10代の頃、太宰の小説を読むときには
「これは自分のことだ!」と切羽つまった気持ちで読んだものだけど、
私も歳をとったんだな。

物語の中に書き手が登場する手法が斬新。
「思い出」と「道化の華」が好きだけど、「猿ヶ島」が
思いの外面白かった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2013年7月28日
読了日 : 2013年7月28日
本棚登録日 : 2013年7月24日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする