自殺を前提として遺書のつもりで作ったという処女短編集だが
鬼気迫るものよりも、自尊心の塊ゆえのおかしみ・かわいらしさを感じた。
決して明るく楽しい作品では全くないのだが、
若くて青臭い登場人物たちが愛おしく思えた。
10代の頃、太宰の小説を読むときには
「これは自分のことだ!」と切羽つまった気持ちで読んだものだけど、
私も歳をとったんだな。
物語の中に書き手が登場する手法が斬新。
「思い出」と「道化の華」が好きだけど、「猿ヶ島」が
思いの外面白かった。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2013年7月28日
- 読了日 : 2013年7月28日
- 本棚登録日 : 2013年7月24日
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