ザ・ベストミステリーズ 2012: 推理小説年鑑

著者 :
制作 : 日本推理作家協会 
  • 講談社 (2012年7月1日発売)
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本棚登録 : 122
感想 : 14
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最新のミステリー短篇集。

 普通の善人が織りなす淡い誤解「望郷、海の星(湊かなえ)」。既読の気がする「三階に止まる(石持浅海)」はオチがしょうもないが、最後の一行はいい感じ。そんなことありえないとおもうけれど、悪くない青春物語「ダークルーム(近藤史恵)」。

 タイトルに期待した「超越数トッカータ(杉井光)」はイマイチうすっぺらい。音楽の盗作って実感わかないからかな。次の「言うな地蔵(大門剛明)」は大どんでん返しがきれいに決まる。なかなかいいな。でも「新陰流“月影”(高井忍)」は文体が苦手でパス。

 続いて、「原罪SHOW(長江俊和)」に少し期待したのが間違いだった。さらに「オンブタイ(長岡弘樹)」も限りなくB級。下り坂はまだ続き、「現場の見取り図(深水黎一郎)」は駄洒落としか思えない。sigh

 気を取り直して、ビブリア古書で有名な「足塚不二雄『UTOPIA最後の世界 大戦』(鶴書房)(三上延)」へ進む。登場人物がワールドの中なので読みやすい。ヒロイン栞子の母が気になるが、切れ味は鋭く唸らせる。乗ってきたかなと思って進んだ「この手500万両(角長彦)」は凝りすぎで不発、期待の「死人宿(米沢穂信)」のオチが冴えるが主題というか、トリックはサッパリだ。意外と正統派なのが「残響ばよえ~ん(詠坂 雄二 )」。なかなかいい。もっとすっきりしたエンディングなら、なお、良かったかな。

 総じて、ほぼ満足だ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ミステリー
感想投稿日 : 2012年12月27日
読了日 : 2012年12月28日
本棚登録日 : 2012年12月27日

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