夜行観覧車

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本棚登録 : 6966
レビュー : 1126
著者 :
MOTOさん  未設定  読み終わった 

閑静な高級住宅街。

立ち並ぶ家々はため息が出そうな程に美しく、
(一体、どんな人が住んでいるのだろう・・・)と、想像し始めた途端、
聞こえた様な気がした
「やめろ!」と言う絶叫と、乱暴にドアを閉ざす音。

物語中にそんなシーンもありはしたが、
私は全く別の意味で、
すべての家が、家族以外のよそ者を嫌悪しており、
関わるな、
近寄るな、
触れるな、
去れ!

と、家自体が出す暗い叫びを始終聞き続けていた様な気がした。

が、
その中の一軒の家に黄色いテープが貼られ、
警察と報道陣が、ようやくそのドアを開ける権利を得られた事により、
近隣の住民達と読者は
家が持つ暗い秘密を徐々に知る事となるのだ。

著者の作風はみな、こうなのだろうか?

殺人の起こった家の事情。

その隣の家の事情。

また、別の家の・・・。

時間とその経緯をぶつぶつ切りつつ、
場面を行きつ戻りつしながら、
ぐいぐい真相に迫りゆく手法は、
じれったくもあるが、ページを捲る手を決して止めさせない、
深呼吸したくても、
水面にあがろうとする足をぎゅっと掴まれているかの様な感覚。

この苦しみに耐えながらも
ドロリ、とした人の本質を知る為のドアを開けてみたい、と言う勇気のある人にはお勧め。

レビュー投稿日
2012年12月5日
読了日
2012年12月5日
本棚登録日
2012年12月5日
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