パンとスープとネコ日和

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著者 :
MOTOさん  未設定  読み終わった 

スープをひとさじすくって飲み、
パンをかじる。

(うん、今日も美味しい。)

そんな私を見上げるでぶネコちゃん。

まんまるで

まんまるな体で
にゃあにゃあおねだりするたろちゃんは
すでにご飯を食べちゃったみたい。

(もうないの?ほんとに食いしん坊さんね。)

こんなやわらかい朝はほのほのと今日もやってきた。

でも、
明日もやってくるとは限らない。

(明日もこんな日が続くといいな。)と思うけど
願っているわけではない。

たった一人の肉親であった母も、
今ではもう、写真立てのなかで微笑むだけの人になってしまった。

50を過ぎて独身のアキコさんの人生は、
誰にでもやがて訪れる晩年の人生である。

誰かと共に、毎日を笑いあえたら、わかり合えたら、触れ合えたら、どんなに心安らげる日々となる事だろう。

(願ってはいない)と言いながらも尚、

(もしも、そんな繋がりがある人と巡りあえたら…)
と、考えざるを得ない不運な出来事がアキコさんを襲った矢先に、
その細い糸は光った。

その糸にしがみついていいのだろうか?

今まで、たった一人で、何でも解決し、生きてきた彼女の目の前に
するすると降りてきた糸は、彼女を救ってくれるのだろうか?

別れ、とは残酷なものだが、
物語のなかにあった言葉のなかに私も安らぎをもらった。

「動物はね、人間と違って生死をたいして重要に考えていないのよ。
だから、愛情をもって接してくれた人が哀しんでいると、困ってしまうのよ。」

生死を重要に考えない…

究極の悟りだな、と思った。

レビュー投稿日
2013年1月7日
読了日
2013年1月7日
本棚登録日
2013年1月7日
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