流星ワゴン (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (2005年2月15日発売)
3.82
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本棚登録 : 23819
感想 : 2544

感動させる系のハートフルな話なんでしょ?とわかっててもほろりと来た。
もう死んでもいい、とまで思い詰めた主人公が、過去のたいせつな日に戻れる不思議なワゴン車に乗る親子と出会う。よくあるタイムリープものと違うのは、彼らはどれだけがんばっても「過去を変えることはできない」こと。つかの間のタイムリープが終わると、過去の人々からその間の記憶は消えてしまう。
それでも、主人公たちは過去における人生の分岐点をやり直しながら、自分の中の後悔を一つづつ昇華させてゆく。
最後に戻ってきた現実世界がやはり「死んでもいい」と思うほどの最悪なものでも、もう主人公は「死んでもいい」とは思わない。ここから変えることができると、前へ踏み出す。
誰かの親になる日が来たら、また読み返したい一冊。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2019年7月9日
読了日 : 2019年7月9日
本棚登録日 : 2019年7月9日

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