無産大衆神髄

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sstrip028さん 思想・社会   読み終わった 

アナーキストとして知られる(たぶん)、矢部史郎・山の手緑コンビの初めての著作で、対談集でもある。

「愛と暴力の現代思想」は何度も読んだことがあるけど、こっちのほうが7年ぐらい古い。1999年刊ということで、「まぁ今読んでも古いかな~」とか油断したんだけど、全然古くなかった。社会の中で浸透し、拡大するネオリベラリズムと、それがもたらす新しいハビトゥスを、アクロバティックな方法で(あらぬ方向から)批判している。
これが今も古びていないというのは、取りも直さず、ネオリベ的なものが社会の中でまだまだ現役であるどころか、猛威を奮っているということの証左になるのだろう。

ところで、二人の論点はどこか重厚長大(?)な教養主義的で、良識的な方向性に行きがちな気がするのだけど、それをどう考えるか。資本主義の持ち出す「自由主義」(自己決定やニーズ)の虚構を拒否する時、いわば左翼パターナリズム的な「べき」論になってしまう難しさはあるのかもしれない。けっこう「頭ごなし」な議論になるというか。

ともかく、普通の社会批評や、真面目一辺倒の左翼言説に飽いている方にはよろしいかと。

レビュー投稿日
2017年4月4日
読了日
2017年4月4日
本棚登録日
2017年4月4日
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