望み (角川文庫)

  • KADOKAWA (2019年4月24日発売)
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感想 : 354
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「火の粉」に続き2冊目読了。
本作は、
子供が加害者なのか、
被害者なのか、被害者の場合は死んじゃってる可能性が高い
どちらの選択肢でも最悪の状況。父母、妹、親族の心境からの目線で語られる。

突如、息子が帰宅しなくなってから事件として報道されつつ、数日間のリアルな日常。

あなたならどちらを望みますか?と問われても辛い気持ちにしかならないし、現実感ありすぎて最後まで一気に読めた感じ。まあ、重いです。

母親は加害者としてでも生きててほしいと願っており、父親は被害者としてを願っている。加害者なら仕事は全てなくなり引越しもしてこれから家族はどう生きていけば良いのか?までの長い未来を考えた上での願い。
そんな中で母側の母親からの言葉「今大事なのは覚悟だからね。ちゃんと覚悟すれば何にも怖くない。あなた、今までと違う人生を生きていくの。頭をずっと低く低くして風が当たらないように息をひそめて。お母さんはね、立派な家に住んで、美味しいもの食べて、家族笑いが絶えない幸せな人生を送ってほしいと思っていた。でもそういうのはあなた、もう十分味わったじゃない。」のように自分の息子を守り抜く覚悟をしなさい的な声かけのシーンとかリアルで、、、。まだどちらかわからない時に家の中での話し合いや、夫婦間の話し合い、親族からの探りの電話など、リアル描写がすごい。
ラストも良かった。。

どっと疲れました、読了後昼寝3時間くらいしてしまいました(( _ _ ))..zzzZZ

雫井さんの書き方は私読みやすい!
他も読もう。今の所、2冊とも面白かった!!

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年4月15日
読了日 : 2023年4月15日
本棚登録日 : 2023年4月12日

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